イオン株式会社 (東証プライム市場)の2025年2月期第3四半期の決算概要を解説します。
経営成績 増収 減益 最終赤字
経営成績
2025年2月期第3四半期の業績は、前年同期比で増収、減益、最終赤字でした。
四半期純利益は168億円の黒字でしたが、非支配株主に帰属する四半期純利益325億円を差し引いた結果、親会社株主に帰属する四半期純損失となりました。
1.世界情勢
世界的な政情不安や戦乱、中国経済の成長鈍化等、先行きへの不透明感が継続しています。
2.国内の実質賃金
6月は夏季賞与の影響から2年3カ月ぶりにプラスに転じましたが、8~9月は再びマイナス、10月はプラスと、足踏みしています。
3.日本政府の施策
エネルギー価格高騰による電気・ガス料金の補助金政策を実施しました。
4.個人消費の二極化傾向の継続
節約志向と高付加価値商品・サービスへの積極的な支出の二極化傾向が継続しています。
営業収益 6.3%増収 全セグメントで売上増加
営業収益は、前年の7兆259億円から6.3%増加して7兆4,706億円となりました。
全てのセグメントで増収となりましたが、最も伸びたのは連結子会社マルエツが好調だったSM事業(スーパーマーケット)でした。
GMS事業(総合スーパー)は増収でしたが、9、10月の記録的な高温で秋冬物需要が低迷し伸び悩みました。
営業利益 17.7%減少 GMS事業の減益が影響
営業利益は、前年の1,428億円から17.7%減少して1,176億円となりました。
セグメント別ではGMS事業の177億円の減益が影響しました。
一方、高利回り営業債権残高が過去最高となり資産収益性が向上した総合金融事業が、前年同期比40.8%の増益と健闘しました。
営業利益率 1.6%へ低下
営業利益率は、前年度の2.0%から0.5%低下して1.6%となりました。
減益となった金額の規模から見て、GMS事業の営業利益率の低下(前年度△0.1%、今年度△0.7%)が大きく影響しています。
2.営業利益率(2025年2月期第3四半期)
=営業利益÷営業収益×100%
=1,176億円÷7兆4,706億円×100%
=1.6%
(小数点以下第2位を四捨五入)
財政状態 自己資本比率 7.0%へ低下
2025年2月期第3四半期の自己資本比率は、前年同期の8.1%から1.1%低下して7.0%となりました。
自己資本比率低下の直接的な原因は、最終赤字による自己資本の減少です。
キャッシュフロー:開示なし。
イオンの中間決算ではキャッシュフロー計算書の開示は行われていません。
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