ここでは、日本電信電話株式会社(以下、NTT)の配当の状況について解説したいと思います。
はじめに
分析結果の利用に際しての留意点
分析では主に有価証券報告書、決算短信、決算説明資料など一般に公開された情報を用います。
したがいまして、分析には一定の限界があることについて、予めご理解をお願いします。
実際の投資判断などに際しては、自己責任で行っていただきますようお願いします。
記事中の意見や判断の部分は筆者個人のものであり、読者の方それぞれのお考えやご判断があるものと理解しております。
参考:職務経歴・専門性
分析結果の利用の参考に、主な職務経歴と専門性について記載させていただきます。
(会計監査)
大手監査法人で会計監査を行ってきました。
会計監査では、家電小売、化学、鉄道、ガス、住宅建材、銀行などの法定監査、政令指定都市の包括外部監査など、幅広い業種を担当しました。
(官公庁への出向)
最初は、金融庁・証券取引等監視委員会で、有価証券報告書の虚偽記載に関する犯則事件の調査、課徴金調査・開示検査を担当しました。
調査又は検査の主な内容は、上場企業の粉飾決算や会計上の重大な誤謬の解明です。
次に、財務省関東財務局で、有価証券報告書レビュー(※)を担当しました。
(※)重点テーマ審査、情報等活用審査
上場企業が政令や会計基準を準拠しているかどうかの審査です。
(保有資格)
①公認会計士(Certified Public Accountant)
②公認不正検査士(Certified Fraud Examiner)
NTTの配当政策
NTTの配当政策です(2024年3月期の有価証券報告書)。
1.配当の位置付け
株主への利益還元を重要な経営課題の1つに位置付け
2.配当の基本的な考え方
(1)継続的な増配
(2)自己株式取得は、機動的に実施
3.内部留保資金
財務体質の健全性を確保しつつ、成長機会獲得のための投資や資本効率を意識した資本政策等に活用
4.配当方針
(1)中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針
(2)中間配当は、会社法第454条第5項の規定による剰余金の配当をすることができる旨を定款に記載
5.決定機関
(1)期末配当は株主総会
(2)中間配当は取締役会
配当実績
配当金総額の推移です(決算短信より)。
毎期増加しています。
配当政策の「配当の基本的な考え方」に記載している「継続的な増配」が実践されています。
NTT 配当性向
配当性向の推移です(決算短信より)。
2021年3月期までは40%台でしたが、直近の3年間は30%台で下落傾向です。
2025年3月期の配当性向は40%の予想です。
年間配当金
年間配当金の推移です(決算短信より)。
(※1)
2020年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割を行っています。
よって、2020年3月期の年間配当金の合計額は、第2四半期末(分割前)と期末(分割後)で単純合計ができないため、記載されていません。
(※2)
2023年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき25株の割合をもって株式分割を行っています。
その関係で、2024年3月期、2025年3月期(予想)の年間配当金は、株式分割を考慮した額が記載されています。
NTT 配当利回り
配当利回りの推移です。
3年連続で低下、2024年3月期は2%台になりました。
権利確定スケジュール(2025年3月期)
1.中間配当
(1)権利付き最終日:2024年 9月26日(木)
(2)権利落ち日:2024年 9月27日(金)
(3)権利確定日:2024年 9月30日(月)
2.期末配当
(1)権利付き最終日:2025年 3月27日(木)
(2)権利落ち日:025年 3月28日(金)
(3)権利確定日:2025年 3月31日(月)
以上が、NTTの配当の状況に関する解説です。
ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
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